EOS 5D MarkII

くさの

2008年10月11日 16:40

 かなり衝撃的だった初代EOS5Dから、ずいぶん待たされたMarkII。

 浦和レッズのACL初戦と重なったので、ぼくが知ったのは発表の翌日だった。その後もなんやかんやバタバタしていて、今頃になって記事を上げてみる。

 

 EOS 5D Mark II

 同じフルサイズのD700やα900を意識してきたのか、お値段も同じくらい。細かく比べると、D700とα900はギリギリ30万を切るくらいで、5D MarkIIは27万くらいと少しお安め。α900と5D MarkIIは発売前だから、もう少し時間が経つと、D700>α900>5D MarkIIと言う順番になるのだろうか。

 初代5Dは発売当初からしばらく、ほとんど唯一の35mmフルサイズとして、圧倒的な低価格と高画質で絶賛を受けたが、徐々にボロが出はじめた。

 まず問題になったのが液晶モニタ。室内なんかだと良いけど、明るい屋外では見えにくいと批判を浴びた。これはコッソリ変更していたようで、初期に買ったモノとしばらくしてから買ったモノを比べてみると、多少改善されていたらしい。

 MarkIIの液晶は、2.5型の23万ドットから、3.0型約92万ドットにアップ。外光センサーを付けたり、コーティングの様子を解説したり、モニタの見え具合には相当力を入れた様子。問題になった屋外などの明るいところでの見え具合は一般的にはまず問題ないくらいに改良されている様子。

 次に故障が多いと言う話が。キヤノンではプロ機と称してはいなかったけど、やっぱり使っていたプロは多かったようで、バリバリ使い込むと故障がけっこう多かったんだとか。シャッターが切れなくなるとか、ヒドイものはミラーが落ちたとか。5D MarkIIでは、シャッター耐久約15万回と言うので、ここはかなり改善してきたっぽい。

 で、もう少し細かく見て行く。

 
 撮影素子は、当然ながら35mmフルサイズのCOMSセンサーを搭載して、画素数は約2110万画素。ISO感度は通常で100–6400、拡張でISO25600まで、センサーダスト対策、オートライティングオプティマイザ機能、防塵防滴機能の向上、最高約3.9コマ/秒の連写性能、UDMA対応。この辺りは初代5Dから改良されてきた点。

 ファインダーも、初代5Dの上下左右とも約96%からに約98%アップ。一眼レフの命とも言うべきファインダーは着実に改良してきた。

 フィルムの頃は、プリントする時に周囲が切れたり、ポジならマウントで隠れてしまったりしたので、大して気にならなかったんだけど、デジタルになってからはモニタで隅々まで見てしまう。フィルムの頃よりもファインダーの視野率は気になるところ。

 AFは9点+アシスト6点。数は初代と変わらないけど、精度は向上しているらしい。

 AFポイントの数ではニコンのD3/700/300が51ポイントもあって圧倒的。最初はこんなに要らないんじゃないかと思ったんだけど、D300を三脚に付けてカメラを動かさずに、好きな位置にピントを合わせられるので重宝している。

 キヤノンもEOS3で45点まで増やした事があるので、そのうち追い付いてくるか、100ポイントとかトンデモナイ数で一気に逆転してくるんじゃないかと思う。

 あと、最近よく見るAF微調整機能がついた。開放で撮ることなんてあまりし、そんなにピントがズレると感じた事もないので、ぼくはそんなに必要性を感じないのだけど、細かなピントのズレが気になる人にはうれしい機能だろう。

 最近のデジタル一眼レフではすっかり流行のライブビュー撮影機能も搭載。これはあっても困らないけど、ほとんど使った事がない。

 このライブビューの応用とも言えるフルHD動画撮影機能が、ニコンD90に続いての搭載。35mmフルサイズなので、DXフォーマットのD90よりもボケを活かした撮影ではもちろん有利だし、内蔵マイクはモノラルだが、市販の外部マイクを使ってのステレオ録音もできる。

 動画撮影重視でこのクラスのカメラを買う人がどのくらい居るのかは解らないが、こと動画撮影に関しては、D90よりも5D MarkIIの方が有利そうだ。

 初代5Dをちょこっと触ってみたり、いろいろウワサを聞いた感じで改良して欲しいと持ったのが、液晶モニタの見え具合とシャッターのキレとかボディーの作り。あとは1200万画素のままでマイナーチェンジしてくれればと考えていたのだが。

 結論としては、全然ぼくの好みじゃない。

 約1000万画素と約520万画素のサイズでRAW記録が出来るのは評価したいのだが、何度も何度もしつこく言うように、こんなに画素数は要らない。

 初めてデジタル一眼レフを買おうかなんて人は、画素数が多ければ多いほど高画質なんて誤解している人も居るようだけど、このクラスのカメラに手を出そうかと言う人は、2100万画素なんて画素数はよほど特殊な用途以外は必要ないと思わないかな?

 画素数が増えないと営業的に困るのなら仕方なく少しだけ増やして、2110万画素なんてとんでもない画素数にしないで、シャッターの耐久性の向上、ファインダーや液晶モニタの改良とか、実用的な部分に力を入れて、1年以上も前に出せなかったんだろうか?

 案の定、スタジオの師匠が5DmkIIのカタログをもらってきて嬉しそうに眺めながら「2100万画素かあ、ポスターとかの大伸ばし用に・・・」なんて言い出したのを全力で阻止しておいた。

 そうしたら「D3とD700の差額を考えると、どっちが良いかな・・・」なんて言い出したので「次はMacを買わないと仕事になりません!!」とキツく言っておいた。

 そう言えばその前に「ソニーのフルサイズは2400万画素もあるんだって?フルサイズはソニーにしようか?」なんて言っていた。

 画像処理は全くやらないのでMacは3年前に型落ちで買ったままなのに、新しいカメラは欲しくて仕方がないようなので、新しいカメラが出るたびに阻止に回る、まるでモグラ叩き状態。

 そんなに新しい機材が欲しいのなら、初代24-120とかタムロンの28-75とか、フィルム時代のズームレンズを買い直してくれないかな?
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