D700

くさの

2008年07月08日 11:35

 そろそろD80の後継機が来るんじゃないかと思っていたら、発表されたのは予想と違って、35mmフルサイズの第二弾となったD700。

 

 Nikon D700

 見た感じはD300のボディーにD3のペンタ部が付いたような印象。スペック表を眺めてみても、やはりD300ボディーにD3の撮影素子とミラー周りを組み込んだような感じ。

 フラッグシップ機と称していたD3とD300に対して、D700はそうは言っていないので、ファインダー視野率など劣る部分もあるが、相当な力作だ。

 むしろ後発な分だけD3よりも勝る部分も。

 同じセンサーを使う2機種目だし、恐らく画質に関してはD3と互角以上。センサー中央部分をAPS-Cサイズ相当の画角で切り出すクロップ機能も、D700ではファインダー内の表示方法を2種類から選べるようになったらしい。画素数も約514万画素と少なめなところが使い勝手も良さそう。

 イメージセンサークリーニング機構は、D300には搭載され、D3には搭載されていなかったが、D700には搭載された。FXフォーマットのD3では開発が間に合わなかったらしいが、その後のD60にも搭載されたので、これからはずっと付いてくると思って良さそう。

 D60にあったエアフローコントロールシステムについてはニコンの公式サイトに何も書いていないので、D700では見送られたのだろうか。ミラーやファインダー周りに余裕があるので必要なかったのか、それとも逆に余裕がなくて入らなかったのか、はたまた必要ないくらいに改良されたのか。

 ともかく、D300、D60に続いて3機種目のイメージセンサークリーニング機構なので、かなり改良されているのだろう。

 内蔵ストロボを搭載したのは、賛否両論別れそうなところ。

 ぼくや師匠がスタジオ外でストロボを使う場合は、ほとんどが天井バウンスなので、存在を忘れてしまう程に使わないから、なくても良い。

 じゃぁ、ストロボを外してその分だけファインダーの視野率や倍率を改善できるかと言うと、できなくはないのだろうけど、内蔵ストロボなんてコストは僅かだろうし、あればあったで便利な人には便利らしいし、ファインダー視野率を100%にするのはかなりコストに跳ね返る、極端に高くなってしまうのなら考えてしまう。

 どうしても視野率100%のファインダーが欲しければD3と言う選択肢もあるのだし、95%もあるなら、納得しておくところだろう。

 D3、D300から引き継がれている倍率色収差軽減機能は、純正ソフトとJPEG撮影だけの対応。RAWで撮ってLightroomで現像するぼくには何の効果もないのが残念。Lightroomも自動補正に対応しないかなぁ。

 3Dトラッキングとか、秒何コマの連写とかは、内蔵ストロボと同じく、その存在すら忘れてしまうほどに使った事がない。

 それでも、マルチパワーバッテリーパックMB-10Dは是非とも欲しいアクセサリー。

 電池の持ちはD300でも充分に良いし、連写もほとんど使わないし、カメラを使う本人としては操作性を維持したままに小さくて軽い方が楽なのだが、仕事先で小さいカメラを使っていると、何となく不安がられる。

 でかいカメラの方が立派に見えると言う見栄もほんのちょっとあるが、クライアントなどに安心感を与えるためにも、大きくてゴツイ、デザイナーとかライターとかがよく持っているクラスのカメラよりも高いものを持って行く必要があったりするのだ。

 そのためだけに、MB-10Dに3万以上も出すのはもったいないから、連写機能もアップしないでいいから、バッテリーが入るだけのハリボテ・・・じゃなくて、簡易版を発売してくれないだろうか?

 
 ところで、FXフォーマットと言うのはD3の時から、厳密には35mmフルサイズの36×24mmではなくて、36.0×23.9mm。

 前から疑問だったのだが、今となっては口径の小さいニコンFマウントでは、周辺がキビシかったりでフルサイズを実現するのが難しかったんだったハズ。

 で、ついに登場したFXフォーマットでは、長辺ではなくて短辺が0.1mm短い36.0×23.9mm。

 どうせ0.1mm削るのなら、長編側を削った方が作りやすかったような気がするのだが、どう言う事情なのだろう?

 で、肝心のD700本体のお値段は、30万円くらい。今のところぼくには到底手が出ない金額だが、D3が高過ぎてD300にした師匠はけっこう本気で考えている様子。

 目下のところ最大のライバルと見られるEOS 5Dの後継機は、未だに姿を見せず。こないだカタログをもらいに行って聞いてみたら、5Dは在庫を引きはじめた様子なので、登場は近いのかも。

 しかし、D40も「最後の入荷!」とか「後継機のD40xとかD60が出たので製造打ち切り!」とか耳にしたような気がするのだが、いつの間にか復活して、デジタル一眼レフ最安値として君臨、かなり売れているらしい。

 それを考えると、在庫が引きはじめたからと言って5D後継機が出てくるとは言い切れないのかも。

 ライバルが出てくれば、D700も値下がりが期待できそうなんだけど、どうなるんだろうか?

 5D、1D3、1Ds3あたりを見た頃には、今にもキヤノンに移行しそうだった師匠も、今は行かなくて良かったなんて言ってるし、キヤノンがどう出てくるかは楽しみではあるのだが。

 D3とD300を見たキヤノンの人達が、発表間近だった5D後継機の試作機を涙目でハンマーで叩いて壊し、強化に取り組み、今度またD700を見て同じ事を繰り返している・・・なんて妄想があんがい当たっていたりして?

 ニコンの次の機種は、ソニーの発表した、フルサイズ2400万画素を載せてくるんだろうか?

 D200ベースのS5pro以来沈黙を守っている富士フイルムの次の機種も待ち遠しいんだが、ニコンがフジにボディーを提供する余裕が生まれるまでは望めないのだろうか?
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